断捨離を維持できるようになるたった一つの考え方「全てのモノはタスクである」
こんにちは、経営コンサルタントのめかるです。12月25日、今日はクリスマスですね。これから年末に向かって、大掃除や断捨離を進めている方も多いと思います。
私もそうです。断捨離をするという時はいつも思うんですね、毎日やってればこんなに大変じゃないのに、なんでまとまって一気に大掃除をしなければいけないんだろう、と。
毎日ちょっとずつ物が増えないようにすればいいだけなのにな、ということをよく思います。きっと皆さんも同じような考えをしながら今、大掃除をされているのではないかと思います。
断捨離を毎日継続するために、普段から心がけていることがあります。
「全てのものはタスクである」ということです。
「全てのものはタスクである」とはどういうことか?
例えば、毎朝家に新聞が届きます。新聞が届いたら、新聞受けから家のダイニングのテーブルの上に置いて、朝ごはんを食べながらそれを読むとしましょう。
新聞というモノは「郵便受けから運ぶ」、「テーブルの上に乗せる」、「食事をしながら読む」という複数のタスクを人間に誘発させているわけです。
私たちが物を操作してるんじゃなくて、物の側が私たちに何らかのアクションとかですね、タスクっていうものを行動を誘発させているという風に考えるのです。
私はこれを**「タスクのコペルニクス的展開」**と呼んでいます。
特に考えるべき対象は机の上やテーブルの上にあります。
テーブルの上に持ってきた調味料、そのまま置きっぱなしにしている。これはタスクを放置してる状態なんです。
テーブルの上に置きっぱなしにされている「新聞」という存在は、
- これから新聞を読むのか
- 読み終わったから片付けるべきなのか
- 記事を切り抜くためにとっておいてあるのか
……などなど、何らかのタスクっていうものがモノの中に内在されているのです。
人間は、目の前にあるモノからその「タスク」を読み取って、何らかの処置を施して、最終的には机の上テーブルの上からモノを無くさなければいけないんです。
それってあんまりできないんですよね。だからどんどん物が溜まってって、ダイニングテーブルがどんどん散らかっていくとこういうことが起きるわけです。
職場のモノもすべて「タスク」である
今新聞の話をしましたが、仕事も一緒です。よくあるのは領収書ですね。
例えば、会社の代わりにお金を立て替え、領収書をもらいました。その領収書は、所定の手続きに従って経理にもっていかなければいけません。そこで、受け取った領収書を会社の机の上に置きました……そして放置。
これだと、仕事は非常に非効率なものとなってしまいます。情報が本来流れるフローの途中で止まってしまい、後工程である経理に到達するまでのリードタイムが長引くからです。
領収書なら、適切な処置を講じなかった社員個人が責任を問われ、その分の費用を自費負担とすることで決着しうるかもしれません。しかし、社員が適切にモノを扱わなかったせいで、会社側に損害を与えるようなケースもありえます。
例えば見積書や契約書などは、非常に重要な情報です。そのような、外部とのお客様とのやり取りの中で使われている書類っていうのがカバンの中、あるいはパソコンの自分のフォルダの中、こんなところにあったら仕事に差し支えます。
ですから物はタスクだと認識すべきです。「すべてのモノはタスク」なのです。
モノが机の上やカバンの中に入っている状態、引き出しの中に収まっていない状態というのは、自分のやるべきタスクっていうのがその場で放置されていて、そこで処理が止まっているということの表れなんですね。
ですから、大事なことは全てのものはタスクであると認識することが非常に重要です。
モノを滞留させずに、処理するためには
全てのモノはタスクであり、「処理を待っている」状態であることは理解できましたでしょうか。最後に、タスクを処理するための方法をお伝えします。
タスクというものへの向き合い方は、「今すぐ処理できるものはとっとと処理してしまう(即時処理)」という原理・原則を守ることです。
特に情報は、さっさと次の工程に引き渡すというのがよいでしょう。
- 5分程度で完了できることなら、今すぐかたづける
- 時間がかかることがわかっているなら、処理の時間を予定に組み込み、カレンダー上に記録しておく
このようなルールを順守して、仕事を片付けることができます。
たとえば、領収書1~2枚なら、さっさと経理へもっていきましょう。
領収書が5枚ぐらいあって、それぞれ裏書きや必要な書類の作成に時間がかかるのであれば、「領収書を処理する」という予定をカレンダーの中に書き込んでください。
カレンダーに書き込むぐらいなら、5分もあれば十分にできるでしょう。
一番ダメなのは、机の上やカバンの中、パソコンの自分のフォルダの中にデータをほったらかしにして「後で片付けよう」と思うことです。
「全てのものはタスクである」「今すぐ処理できるものは、とっとと処理する」。この二つの原理原則を理解して、行動を変えていく。
これが情報を自分のところで滞留させない秘訣であり、そしてひいては家や会社の職場の環境をシンプルな状態で維持するための一番重要な考え方になります。
すぐに処理できないモノへの対処方法
もちろん、すぐに処理をするのが難しいモノもあります。
たとえば製作途中の企画書や、まだ作成中のデータなど。
こういったのは、一時保管という形で「ちょっと置いておく」ルールを考える必要があります。
作業途中のものを保管するという場所ももちろん必要です。作業途中の状態で机の上に放置するのではなく、「保管」しておくことがポイントです。
作業途中のものを机の上に放置すると、次の作業をするときの支障になります。保管スペースを使って机をリセットすれば、割り込みの作業も最高の効率で片付けることができます。
結論:全てのモノはタスクであり、即時処理すべきである
全てのモノはタスクです。そして、とっととかたづけるべき(即時処理すべき)です。
ものを早く処理してなるべく早く捨てるか、別の人に引き渡すかの対策を講じる。
仕掛のものは、スペースをつくって保管する。
このような心構えを継続すれば、整理整頓された職場環境・家庭環境を維持できますし、必要なものはすぐに取り出せる状態で維持管理できるようになります。
ちなみに、「モノはタスクである」と考えて、必要なものを必要な分だけ即座に取り出すことができるようにする仕事の仕方のことを日本ではトヨタ生産方式、あるいは5Sとよびます。
5Sとは「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「しつけ」の頭文字をとったものです。
5Sには業務生産効率が向上する効果が実際にあって、そしてそれがトヨタの圧倒的な収益を支えています。国際競争力の根底にあるもっとも重要な考え方ですから、日本の経営者の皆さんには、ぜひ勉強していただきたいなと思います
- 全てのものはタスクである
- すぐにできるものはすぐに処理して次の工程に引き渡す
- 処理に時間がかかるものはきちんと保管の場所を決めて保管しておく
- 机の上やカバンの中、パソコンのフォルダの中に放置しない
これを徹底して取り組んでみてください。それでは私も年末の掃除をこれからしたいと思います。
メリークリスマス!