中小企業でも、グループウェアを使ってカレンダーを共有すべき

カレンダー機能の重要性

グループウェアを利用する会社では、カレンダーの共有機能が標準で提供されています。さまざまなグループウェア(サイボウズ、Google ワークスペースなど)でカレンダー機能を利用することができますが、実際にカレンダー機能を活用している会社はそれほど多くありません。

カレンダー機能は、社員が自分のスケジュールを入力し、他の社員と共有するためのツールです。カレンダー機能の利用を推奨することには、3つの理由があります。

  1. 工数や実績の把握:カレンダーを入力することで、作業時間や実績を把握することができます。
  2. リモートワークの促進:カレンダーを共有することで、リモートワークがスムーズに行えるようになります。
  3. 効率的な働き方の実現:会社は従業員の時間を購入しているため、上司や管理職は従業員が最も効率的に働けるような仕組みを考える必要があります。そのためには、カレンダーは必須のツールとなります。

カレンダー機能を活用することで、社内のコミュニケーションや業務の効率化に貢献できます。

工数実績の把握

カレンダーを使うべき一つ目の理由は「工数実績の把握」です。

工数実績とは、クライアントごとに費やした時間を把握することです。

例えば、ABCという3つのクライアントがあった場合、この1ヶ月間にAには40時間、Bには20時間、Cには10時間使ったとします。時間の差があるため、売り上げも同じ比率で高くなることが望ましいです。

しかし、多くの場合、売り上げのない企業に対して多くの時間を使って、お得意様の企業にはそれほど時間を使っていないケースがあります。もちろん、大きな売上が見込まれるから前段階として取引やアクションを増やしたいという意図もあるかもしれません。そのばあいも結局、1年を通してみたときに、きちんと「お金を使ってくれるお客様にたくさんの時間を投じているか」を見る必要があります。

工数実績は、意図的にカレンダーをつけていないと振り返って検証することができません。特に営業担当の方は、お客様と接している時間が長いにもかかわらず、工数実績をつけていないために効率的に営業ができていないと感じるケースもよくあります。1ヶ月にどれくらい時間をかけているかを把握するためには、工数実績としてカレンダーに入力する必要があります。

リモートワークの促進

カレンダーを使うべき2つ目の理由は、リモートワークの促進です。

リモートワークと聞くと、中小企業の中でまったくリモートワークを経験したことのない人々にとっては、「会社に誰も来なくなる」とか、「会社のオフィスが不要になる」など、極端なことを想像するかもしれません。しかし、リモートワークとは、遠隔地にいる人々が遠隔地にいながらにして仕事を進めることができる状況を指すのです。それほど極端で複雑な概念ではありません。

例えば、営業部の外回りをしている人と、社内で営業事務をしている人とが、あるクライアントへの提案を作るために、上司を含む3人で一緒にミーティングを行いたい場合を考えてみましょう。従来であれば、お互いの予定を電話やメールで調整しあい、当日に会社の会議室に集合集しなければなりませんでした。リモートワークが可能になれば、外回り中の営業担当者や車内からパソコンで映像をつないでオンライン会議を行うことができるのです。

とはいえ、会議の時刻を調整するのは大変な作業です。参加者が2名~3名の会議を1回だけ行うのであればともかく、多くのメンバーを入れて日時を調整するのは簡単ではありません。会社の同じフロアで机を並べていればその場で日程調整できますが、外回りの営業や、頻繁に外出している役員たちとの時間の調整は大変です。

そこで、共有カレンダーが必要になります。お互いの予定が常に見える化されているので、複数のカレンダーを同時に表示して「この日は誰も予定が入っていない」というポイントを即座に見つけることができます。あとはグループチャットやメールで「全員の時間が空いている日があるので、ここに会議を入れます」と連絡すればよいのです。

共有カレンダーがないと、「この時間からこの時間は空いていますか?」といった調整をする面倒な仕事を引き受ける人がでてきます。このような作業は無駄な時間です。その時間にも時給が支払われており、その分別の仕事ができるのです。

カレンダー機能が備わったグループウェアを導入しているにもかかわらず、それを活用できていない会社も多くあります。それは、経営の怠慢と言えるでしょう。また、カレンダーを個別に入力しているが共有していない場合、機能を十分に利用できていません。カレンダーの入力と共有を徹底して実施してください。

効率的な働き方の実現

3つ目の理由は、効率的な働き方の実現のためです。

上司や管理職は部下の仕事を管理するためにカレンダーを使用してください。部下に仕事を依頼しようとする時、彼らが忙しいと言ってしまったり、全員で了解しているにもかかわらず、実際には担当者が自分の仕事を優先し、全体の課題に取り組んでくれないことがあります。上司が部下の仕事の状況やタスクの配分、時間の使い方を把握できないため、アドバイスをすることもできません。部下は非効率な仕事を続けてしまったり、上司はより広い視点で仕事ができない場合があります。また、部下の立場からすると、上司が自分の仕事の状況を把握していないことは大変です。

例えば、会社の中で電話を取る人が後の処理をすべてしなければならない場合、部下が電話を取るように先輩に言われると、会社にかかってくる電話をすべて取ってしまい、他の仕事に手を付けられなくなります。そのために残業してなんとか仕事を終わらせることがよくあります。また、特定の問い合わせに対応するために、ある人から順に割り当ててしまうと、従業員は疲弊します。従業員のどこに誰がいて、何の仕事をしているのかを把握することは、会社全体として従業員が効率的に働くために重要です。そのためには、グループウェアに搭載されているカレンダー共有機能を利用しましょう。カレンダー共有によって、さまざまな便利な機能が利用できることが分かってきます。

以前の葬儀業界では、1人のコーディネーターが一日中一つの遺族のところにいて、コーディネートをすることが一般的でした。しかし、働き方改革が進み、受付やご案内、セレモニーの執り行い、お支払い依頼などの役割ごとに分担して、より簡単で丁寧な接客ができるようになりました。ただ、情報共有が難しくなります。情報共有のためには、グループウェアのチャット機能やGoogleのカレンダー共有機能が必要です。時間を適切に分けて情報共有することで、従来とは異なる働き方が可能になります。

無料の共有カレンダーもある

最後に、無料で使うことができるカレンダーを紹介します。

Googleカレンダーとタイムツリーです。グループウェアがまだ会社に導入されていない方は、カレンダー共有のためにお金を払うのもなと思われる方も多いかもしれません。そこで、会社で管理できるアカウントを作って無料でこのGoogleカレンダーやタイムツリーを試すというのを始めにおすすめしています。

カレンダー機能をきっかけとして、グループウェアは少しずつ導入していくということも考えても良いかもしれません。

情報の記録と共有・分析は、会社の資産になる重要な業務です。便利なアプリケーションを使って効率化することが重要です。

共有カレンダーは、そのきっかけづくりにしてみてくださいね。

最後までお読みいただきありがとうございました。