店舗の売上は「新規客の売上」+「リピーターの売上」
店舗の売上を上げる施策は、SNS、広告、キャンペーン、サイト改善など色々あります。ですが、そもそも売上がどこから生まれているかを分解しないまま「流行っている施策」に飛びつくと、費用と労力をみるみるうちに浪費します。
店舗の売上を高めるための考え方はシンプルで、売上は大きく2種類に分かれます。
- 新規客の売上(初めて来た人が生む売上)
- リピーターの売上(2回目以降の人が生む売上)
リピーターは関係性ができているので、来店動機(季節の案内、定期点検、買い替え時期のリマインド等)を作れば戻りやすい一方、何もしないと一定割合で離脱します(引っ越し・ライフスタイル変化・優先順位の変化など)。だから、リピーター“だけ”に寄せ切ると、数年単位でジリ貧になります。
(※ここに図解:売上=新規売上+リピート売上)
「売上の式」をもう一段上から見る:市場×人口×シェア
売上を伸ばすとき、現場では「客単価×客数」がよく使われます。これは現状把握に便利ですが、将来を設計するには情報が足りないことがあります。
そこで、店舗ビジネスの意思決定では次の見方も有効です。
- 売上=MS × 商圏人口 × シェア
ここでのポイントは、
- 商圏人口は基本的に自店の努力で増やせない(増やすなら新規出店など大きな投資)
- シェアは販促や価格、商品力などで変えられる
つまり、短〜中期で現実的に効かせやすいのは「シェア(選ばれる確率)」で、ここに新規集客とリピート設計が直結します。
(※ここに図解:売上=MS×商圏人口×シェア/動かせる・動かせないの色分け)
店舗売上を上げるために「最優先で見る数字」3つ
難しい分析は不要です。まずはこの3つだけでOKです。
1.新規客数(または新規比率)
- 「先月より新規が減っている」状態が続くと、将来のリピーター母数が減るので、売上は遅れて落ちやすいです。
2.リピート率(2回目に戻る割合)
- 新規を増やしても、2回目に戻らなければ広告費が重くなります。
3.新規獲得単価(1人集めるのにかかった費用)
- 新規集客にはコストがかかります。ざっくりでも「1人あたりいくら」を置いておくと、施策の良し悪しが判断できます。
(※ここに写真:スタッフが数字をホワイトボードで確認している様子)
販促費(広告費)は「減らすと売上が落ちやすい」性質がある
新規集客のコストは、リピート喚起より高くなりがちです。だから不安になると、真っ先に広告費を切りたくなります。
でも、新規が止まると“将来のリピート”も止まるので、後から効いてきます。
参考として、米Gartnerの2025年調査では、マーケティング予算は売上高の約7%で横ばいという示唆が出ています(業種・規模で差はあります)ガートナー。
また、日本全体の広告費は電通が毎年推計を公表しており、媒体別・業種別の大枠感をつかむのに役立ちます電通。
ここで言いたいのは「何%が正解」ではなく、新規獲得の原資をゼロにしない設計が大事、ということです。
新規もリピートも取りにいくなら「広く浅い広告」が強い
店舗は基本的に一般消費者向け(toC)なので、特定リストにだけ当てる施策(例:名簿DM)は、反応が良く見えても“人数の上限”が早く来ます。
一方、広く浅く接触する広告は、将来の新規客にも、いまの見込み客にも、休眠客にも効きます。
広く浅い広告の例
- 店頭の看板・のぼり・タペストリー
- YouTube/Instagram等の動画広告
- ラジオCM、テレビCM(地域によっては意外と現実的)
- Googleマップ(広告というより「選ばれやすくする整備」)
(※ここに写真:店頭看板の事例)
広告で伝えるべきことは「3つ」だけ:ブランド名・カテゴリ・独自性
広く広告を出しても、内容が弱いと「何の店か分からない」で終わります。
そこで、最低限これだけは入れてください。
1.ブランド名(店名・サービス名)
覚えてもらう“フック”です。視認性・読みやすさ・音の残りやすさも大事。
2.カテゴリ(何の店か)
「誰の、どんな困りごとを、何で解決する店か」。 カテゴリが曖昧だと、記憶に残りません。
3.独自性(なぜあなたの店なのか)
同じカテゴリの選択肢が山ほどある時代です。 違いが一言で言えない広告は、比較検討で負けやすいです。
(※ここに図解:ブランド名/カテゴリ/独自性の3点セット)
すぐ使える:施策の優先順位チェックリスト
最後に、現場で判断しやすいようにチェックリストにします。
STEP1:売上の内訳を分ける
- 新規売上:◯円(新規客数:◯人)
- リピート売上:◯円(リピート客数:◯人)
STEP2:落ちているのはどっちか
- 新規が落ちている → 認知・露出(広く浅い広告)を優先
- リピートが落ちている → 来店動機づくり(案内・リマインド・体験改善)を優先
- 両方落ちている → まず新規の底上げ(止血)→次にリピート設計
STEP3:広告文(または店頭掲示)に3要素が入っているか
- ブランド名:入っている
- カテゴリ:一瞬で分かる
- 独自性:一言で表現できているか
よくある質問(FAQ)
Q. SNSだけで売上は伸びますか?
伸びるケースもありますが、SNSは「届く範囲」と「継続運用コスト」がボトルネックになりがちです。新規もリピートも狙うなら、SNS“だけ”ではなく、看板・動画広告・Googleマップ整備などと組み合わせると安定します。
Q. DM(名簿への郵送)はやってはいけませんか?
禁止ではありません。ただし店舗(toC)では、人数上限が早く来やすいので「主戦力」にすると頭打ちになりがちです。主戦力は広く浅い接触、DMは補助、くらいが安全です。
まとめ:売上を上げる最短ルートは「新規×リピート」を同時に回すこと
- 店舗売上は「新規客の売上」+「リピーターの売上」
- リピーターは放置すると減るので、新規の獲得が止まると将来ジリ貧
- 店舗は基本、広く浅い広告が強い(看板・動画広告・地域媒体など)
- 広告で伝えるべきは「ブランド名・カテゴリ・独自性」の3つ
- 売上を上から見るなら「売上=MS×商圏人口×シェア」も有効
(※ここにイラスト:新規→体験→リピート→紹介の循環)
投稿者プロフィール

- 出店戦略コンサルタント
- 船井総研出身の経営コンサルタント。前職では葬儀社を対象に「家族葬専用式場」の出店を全国で後押し。事業戦略の立案からプロモーションの実行まで一貫した支援で総額数十億円の売上に貢献した。 独立後は、「100年続く事業をつくる」を理念に掲げ、幅広いサービス業の売上・利益・生産性向上を支援する。戦略や計画のみならず、チラシ・WEB・テレビCMなどのプロモーション施策を網羅し、特性に合わせて提案できる全国的にも希少なコンサルタント。
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